hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

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やっちまった

バイトを探した。

近所に焼き肉屋さんがあった。

バイト募集してないですか、と聞くと、「間に合ってる」との事。

前からその店には目を付けていたので、正直当てが外れた事に僕はがっかりした。

 

その夜、自販機へ。

中華屋の前を通る。

「アルバイト募集」の張り紙。

即、突入した。

 

中国の人がやっているお店だった。

バイトをしたいと申し出ると、さっそくその夜に面接。

「頑張るので、お願いします」と頼み込む。

渋い顔。店員さん同士が中国語でなんかやりとりしていた。

何言ってんのか全く分かんなかった。でも、その表情からあんまり歓迎されてはいない、と言う事はわかった。

だけど、「じゃあ、ためしに1日やってみますか?」という話になった。

 

翌日。朝から店で働かせてもらった。

その日は土曜日と言う事もあって、お客さんも多かった。

お昼時、店内は嵐のようだった。

けれど、午前中は暇だった。

テーブルを拭き、水を入れ替え、大まかな説明をしてもらった。

一緒に働いていたお姉さんに「君、高校生でしょ?」と言われ、「31です」と応えると爆笑された。

 その時はまだ、楽しめていた。

 

僕にはできる事がごく限られていた。

店の人が中国の人なので、注文書きは全部漢字でなければいけない。

僕は「餃子」が書けなかった。

なので、「注文は取らなくていい」という事に。

結果、他の先輩店員さんに負担をかける事になった。

レジの打ち方もわからない。

忙しい時、お客さんが支払いをしようとレジの前へ。

キレていた。

早くしろ!と。

だが、僕はレジ打ちができない。

どうしていいかわからなくてオロオロしていたら、他のお客さんが僕を見て、

「何だあいつ、全然動かねえ、最低だな」とか言い出した。

仕事なんだから、「僕教えてもらってないんです」とか通用しない。

そのお客さんは僕の都合なんて知らないから、そう思って当然だろう。

それに実際僕は役立たずだった。

ひどい無力感だった。

 

できる事をしよう、と僕は考えた。

水を用意したり、豆腐に醤油をかけたり、天津飯にしょうがを乗っけたり。

しかし、それは逃げだった。

他の人は料理を運んでいたのに、僕は料理を運ばなかった。

面倒だったんじゃなく、怖かった。

完全にビビっていた。お客さんが怖かった。

実際店は忙しく、僕には料理を運ぶ責任があった。

だが、人手を必要としている他の店員さんを見捨てて、僕は引きこもる事を選んでしまった。

そういう自分のずるさに気づきつつ、忙しいふりをして杏仁豆腐の用意ばっかりしていた。

最低だった。

根性を出さないといけない。

自分からやりますって言わなきゃなんない。

でも、僕は戦えなかった。

自分は最低だな、と思っていたらマスターに肩を叩かれた。

「もう帰っていい」。

たった2時間店にいただけだったけど、帰ってから僕は、5時間くらい寝込んだ。

 

次の日に店に行ったら、やっぱりもう来なくていい、と言われた。

データが欲しかったので、僕は厚かましく何でですか?と聞いた。すると、

「あなたを見ていた料理人が怒っていたから」との事だった。

 

完全な敗北だった。

無力だった。なにもできなかった。

店で働く前はやる気満々だった。

前夜には鏡の前で笑顔を作って「いらっしゃいませ!」とかやっていたのに。

雇ってくれた店の人にも悪いと思った。

与えられたチャンスを無駄にしてしまった。

困っている人を見捨ててしまった。

何よりも、自分に負けた。

そういう事が頭の中でぐるぐる回って、意識がもうろうとしていた。

翌日、僕は立ち直る事になるのだけれど。

それでは、また。