問い合わせてみた
先日、ある人の厚意により、僕は「作業所」という施設の存在を知った。
僕は作業所というものの存在を知らなかった。
調べてみた。
それで。
作業所というのは、「障害などがある人がリハビリしながら働ける場所」というものだという事がわかった。
改めて考えてみると、僕は病人だった。
仕事中に発作が出ない保証なんてない。
加えて、いきなり一般の職場でバリバリ働くという事も、自分にとってはハードルの高い事だったんじゃないか?
自分の病気に理解のある環境で、一定期間働かせてもらえるというのなら、願ってもない環境なのではないか?
そういった事を考えて作業所に通わせてもらう事は今の自分にはいい事だと思えた。
僕はいつもお世話になっている役場の人に問い合わせてみた。
すると、1度担当の人に会ってみないか?と聞かれたので、その日すぐに役場に向かった。
役場の会議室のようなところで、説明を聞いた。
細身のスーツを着こなした男性が担当者だった。
細いフレームのメガネをかけた、知的な感じのする人だった。
会って早々聞かれたのが、本当に病気なんですか?ということだった。
なぜ?と僕が聞くと、
受け答えがずいぶんしっかりしているから、とのことだった。
僕は障害者手帳を見せたり、十年前に措置入院をしていた事などを説明した。
担当の人は、なるほど、と言いつつ、「全然そうは見えない」と言ってくれた。
嬉しかった。
だが、
「それだけ普通に振る舞えるのにバイトを落とされるのは、違う理由があるんじゃないですか」という言葉は、正直堪えた。
作業所というところに通うのは、本当にもうふらふらというか、日常生活がぎりぎりできるかどうかという人が通うところだ、と説明された。
放っておくと心配な人を見守るとか、外出さえもままならないけれど外に出たい人を受けいれる、そういう意味合いの強い場所であると。
一人当たり、国が負担する費用も月当たり二十万円かかるとも言っていた。
それで、結局。
一般の職場で働ける人はそうするほうが社会のためです、と断られた。
という訳で、僕はこれまで通り一般のバイトを探す事にした。
ちょっとアプローチを変えてみた。
ネットを使って調べてみた。
すると。
ポスティングのバイトが見つかった。
ポスティングを言うのは、チラシを人の家に配る仕事だ。
そのバイトは、自宅の近所を自転車で回ってメール便を配達するというものだった。
時間も自由だし、近所の人となら普通にあいさつもできる。
それに、もし発作が起こっても一旦休憩したりもできる。
これはいい、と思ったので僕はそのバイトに応募してみた。
サイトの情報によると、「応募すると数日以内に連絡が入る」とのことだった。
今はその連絡を待っている。
それでは、また。